【服装編】初めてのコンサートマナー:クラシック音楽のススメ

初めてコンサートに出向かれる方のためのマナー記事です。服装やクロークの利用、持ち物などについて書かれています。

普段着でもいいの?服装の目安になるのはチケットの価格

初めてのコンサート。何を着ていけばいいのかな?とお悩みになる方も多いかと思います。実のところボーダーラインはとても曖昧ですが、男女ともに、いつもより少しドレッシーな方が気分も盛り上がり、コンサートホールという場所柄に溶け込みやすいのはいわずもがな

でも、音楽学校に通っているんだろうなあという学生さん(スコアを開いていたり、お友達と会話している内容が専門的なので…)や若い方には、ジーンズや普段着で鑑賞してる人も少なくありません。

ここで一つの目安になるのが、チケットの価格帯鑑賞される公演のS席の定価の値段を見てみてください。

S席の値段が10,000円以下の時の服装

S席が〜1万円程度のコンサートであれば、あまり気負わなくて大丈夫です。仕事帰りならそのまま、休日ならスマートカジュアルな装いでOK。

男性は、夏場ならジャケットが無くても浮かない価格帯です。ただし半ズボンやタンクトップなど、ラフすぎる格好は避けた方が無難。女性もショートパンツやサンダルなど、極度な露出のある服装は、温度調整の点でも控えましょう。女性はワンピースやブラウスとスカートなどの組み合わせで、足元はストッキングにパンプスで上品にまとめましょう。

コンサートホールは、楽器>人間の快適さに温度や湿度が調整されています。じっと座って聴いていると肌寒かったり、暑かったりということが、人によっては起こり得るので、体温調節のできる服装を心がけましょう。羽織りものがあれば、ノースリーブのお洋服もコンサート仕様になりますね。

S席の値段が18,000円以上の時の服装

S席のチケットの価格が2万円前後~はフォーマルよりの服装で。“コンサートの後、高級レストランに行ってもおかしくない格好”と意識すれば分かりやすいかもしれません。男性はジャケットの着用が基本で、女性もワンピースドレスの華やかな装いの方が多いですね。

女性のドレスはこの価格帯のコンサートに行くには少し派手すぎですが…

S席の値段が30,000円を超える時の服装

S席のチケットの価格が3万円を超えるような場合は、コンサートの内容に注意しないといけません。

ガラ・コンサート – gala concert

“gala”とはフランス語で「祝典」や「お祭り」の意味があり、日本では何かを記念したイベント的なコンサートであったり、年末年始のお祝いに開かれるコンサートをガラ・コンサートと呼びます。チケットの価格が30,000円以上で、コンサートの内容がこのガラ・コンサートの場合は正装で行くのが一般的です。男性はスーツ、女性はイブニングドレスやお着物で出向きます。

オペラ – opera

クラシック音楽のススメシリーズは主にオーケストラがメインで演奏するコンサートについて書いていますが、オペラについても少々。オペラ鑑賞で30,000円を超える場合は男女ともにセミ・フォーマル以上の装いが好ましいでしょう。若い方はダークスーツやカクテルドレスなどのイン・フォーマルでも大丈夫です。

海外オーケストラの公演

チケットの価格が高価な主な理由が、海外オーケストラやアーティストの来日費用も含まれている場合は、様々な服装の方が訪れます(中にはジーンズの方も!)。ですが、大人なら最低限のマナーを弁え、スマートカジュアルをボーダーラインに設定すると服装の事を考えず、演奏に集中できると思います。スマートカジュアルとは、男性はジャケットにノータイ、女性はブラウスにスカート、ワンピースに羽織物程度の服装です。

番外編:中高生の場合

年齢に関係なく、中高生の方は制服姿でOKだと思います。筆者は中学生の頃、実際に何度も制服でオペラ鑑賞をしています。

自分も周りも音楽に集中するために守りたい服装マナー

自分がどんな服装をしてコンサートに行けばいいか、なんとなく想像ができてきたでしょうか。次は服装にプラスして気をつけたいマナーをまとめます。

過度な香水は控えましょう

コンサートホールでは隣の人との感覚が狭いので、意識的に香水は控えめにしましょう。自分は好きな香りでも、他の人にとってどうかは分かりません。自分の苦手な香りを嗅ぎ続けて、長い時間、音楽に集中できるでしょうか?

後ろの人の視界を遮るようなヘアメイク、帽子は避けましょう

コンサートホールによって傾斜はまちまち。少し背の高い人が前に座っただけで、せっかくいい席をとったのに指揮の様子やオーケストラが見られない…といったこともあります。身長は仕方のない事ですが、髪型や帽子については気を付けることができますね。高い位置でのおだんごヘアやポニーテール、サイドでもボリュームのある髪型は避け、帽子は後述するクロークに預けましょう。

アクセサリーやヒールの音、服の素材の音に気を付けましょう

大ぶりなアクセサリーがシャララとなる音やヒールのコツコツとした音は普段なら女性らしく素敵なポイントになるかもしれませんが、コンサート中、音がなるのはNGです。バッグのチェーンなども気をつけたいところです。また服の素材によっては身動きした際に擦れて音のなるものもありますので、気を付けてください。

クローク=手荷物一時預かり所を活用しよう

さあ、いよいよコンサート当日。お仕事帰りや何か用事の後にコンサートを楽しまれる方もいるでしょう。そんな時に頭を悩ませるのが荷物。コンサートホールの座席のほとんどは、映画館よりも少し狭めの席間隔で椅子の下の幅も低めなので、席に持ち込むと出入りや休憩の際に邪魔になってしまいます。

こんな時に便利なのが、コンサートホールが初めての方は意外と知らない“クローク”の存在。コートや手荷物等の一時預かり所を英語でcloak roomというところから省略されたものです。大抵エントランスからロビーに入ってすぐの場所にあります。荷物が多い時や冬場、コートやマフラーを着用してホールに訪れた際は、クロークを活用してスマートにコンサートを楽しみたいものですね。

荷物を預ける場合は、携帯やお財布などの貴重品、ハンカチや小物が別に入るサブバッグを持っていくと便利です。

また、プログラムを綺麗な状態で持ち帰りたい方は、クリアファイルを持っていくと役立ちますよ。


クラシックコンサートの優雅で特別な時間や空間を演出するのに、ゲストの服装は欠かせない要素の一つ。その場に合ったオシャレを知り、取り入れることができるのは、大人だからこそ楽しめる醍醐味の一つです。ぜひ、素敵な装いで生の音楽に酔いしれてくださいね。以上、クラシックコンサートのマナー【服装編】をお届けしました。

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