オーストラリアのバサーストで生まれ育ったマーティーとシンガポーリアンのヘレン夫婦にお世話になること4日間。帰国前日の夕方、最後のわがままをヘレンにこそっと耳打ちしてみました。
「明日の朝はヘレンの作ったラクサが食べたいな~大変だったらいいんだけど…」
滞在中、“おもてなし”精神を、これでもか!と披露してくれていたヘレン。この時にも彼女の目がキラリと光った気がしました。ちょうどスーパーにいたので、ラクサ用の材料を調達し、翌朝、とびきりおいしいラクサを食べさせてくれました。
今回はこの時に教えてくれたシンガポーリアンのヘレンのインスタント・ラクサをおいしくするレシピを紹介しようと思います。
ミール・キットのラクサかインスタント・ラクサを手に入れよう
この時購入したのはMARION’S KITCHENシリーズのミール・キット。シリーズ名を冠している“マリオン”は、タイ人のお母さんとオーストラリアンのお父さんの元に生まれ、アデレード大学でガストロノミー(食文化)の修士号を修めたフードジャーナリストの女性の名前です。
Marion’s Kitchen のウェブサイトにはレシピもたくさん載っています。エスニック料理が好きな人にはたまらない内容です。
MARION’S KITCHENシリーズのミール・キットはアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでしか購入できないのですが、カルディなどで売っているプリマ・テイストのインスタント・ラクサにも応用が利きます。
買い足す材料は殻付きエビ、もやし、たまご、麺、魚団子
ミール・キットの他に買い足す材料は、殻付きエビ、もやし、たまご、麺、魚団子。調味料として、にんにく、生姜や青ネギなどがあるとなおいいですが、チューブでも、最悪なくても大丈夫。
殻付きエビは、出汁をとるのでできれば有頭がいいですが、日本ではなかなか難しいと思います。頭がついてなくても、ご褒美につくるならブラック・タイガー、殻がついていればパナメイエビでも大丈夫です。
もやし、たまごは普通に手に入るでしょう。たまごはお好みの固さのゆで卵にしておきます。
麺もお好みですが、シンガポールで食べられるような麺は売っていないので、たまご麺好きのかたはちゃんぽん麺か米粉のおうどんなどがよいのかな…と思います。
また、エスニック系の麺料理で定番の「魚団子」手に入ればあるに越したことはないですが、厚揚げや栃尾あげなどを代わりにいれてもOKです。
味に深みがでる簡単エビ出汁を仕込む
さて、シンガポーリアンのヘレン直伝のインスタント・ラクサを美味しくする一番大事な工程が、エビ出汁でペーストを伸ばすこと。
エビ出汁と聞くとなんだかめんどくさそうな、大変そうな感じがしますが、とても簡単においしい出汁がとれるのでぜひチャンレジしてみてください。
まずエビの殻をむきます。気になる方はさっと洗って、鍋にポイっと入れます。これに出来上がりの倍量の水を入れます。
レシピの水の代わりにこのエビ出汁を使うので、たとえば500mlの水を沸騰させてと書いてあれば1リットルの水を入れます。
それから生姜があれば皮付きのままスライスしたものを2~3枚。チューブでもいいです。なくてもいいです(笑)。
この時はネギが干からびてたので、青い部分もいれました。生姜もネギも、入れると香りがよくなってエビの臭みが和らぐので、あれば入れてほしいですがなくても平気。きっとおいしい。
強火にかけて沸騰したら中火に落として、30分くらい、水の量が半分になるまで、そのままくつくつやっていきます。
キッチン中に良い香りがして幸せですよ~。いい感じにできたら、ざるでこして完成。
ペーストを炒める前にニンニク油をつくる
ここからはミール・キットのレシピにもよりますが、出汁をとったら、にんにくを油で炒めはじめます。
生をみじん切りにしたのでも、チューブでもどっちでもいいです。コロナで生のニンニクを切らしていたので今回はチューブ。
スープを作る
にんにくの良い香りがしてきたら、ペーストを炒める工程がある場合はこの鍋に投入。お湯に粉末を溶かすタイプならここでエビ出汁を投入して、沸騰させます。
今回はMarion’s Kitchenのミール・キットでつくっていくので、ペーストを炒めます。
Marion’s Kitchenのミール・キットは、①ペースト、②ココナッツミルク、③サンバルソースがセットになっていて、外箱にもレシピが書いてありますが、袋にも詳細な手順が書いてあるので親切設計。
ペーストの袋に大きな番号と共に“Fry me first!(まず私を炒めてね!)”と書いてあるので手順は間違えそうもありません。
ちなみにその下には Fry me in 1 tbsp oil for about a minute until I smell yum (大さじ1杯の植物油でおいしい香りがするまで炒めて).と書いてあります。
tbsp = Table Spoon で大さじを意味する略語です。ちなみに小さじは tsp = Tea spoon なのでちょっとややこしい。
ペーストに火が通り良い香りがしてきたら②のココナッツミルクを入れてかき混ぜ、お水の代わりにエビ出汁を投入!
ちなみにMarion’s Kitchenのココナッツミルクのパッケージには“Creamy goodness!(クリーミーなおいしさ!)”と書いてあります。
下にはこのように書いてあります。Stir me into laksa paste and add 2 cups water .Bring back to a simmer & add your meat / seafood. Gently simmer for 5-10 minutes (ラクサペーストと2カップの水を加えて混ぜ、ひと煮たちさせたら、肉か魚介を加え弱火で5~10分煮込みます).
この2カップの水の代わりにエビ出汁を使うわけですな。そして、もう一つ大事なポイント。ここで具材は煮込みません!
スープができたら具材の準備
はい、ここまでの工程でおいしいスープができあがっております。Marion’s Kitchenのミール・キットにエビ出汁なんて加えちゃった日には「え?なにこれエスニック風ブイヤベース?」というくらいに高級感のあるで奥深いおいしさが味わえるわけですが、我々はとびきりおいしいラクサヌードルを求めているのでね、具材の準備に移りましょう。
まずエビは火を入れすぎると固くなってしまうので、さっとスープに浸して引き上げます。時間の目安は色が変わるまで。エビの大きさによってもまちまちだけどすぐ火通るからね!
普段ブラックタイガーなんて使わないので、背ワタぬくのをすっかり忘れて、火を入れた後水で洗って背ワタぬいたよ。でも大丈夫、おいしかった。とりあえずこれでエビはOK。ゆでたまごも好みの固さのをつくって剥いておく。
「次の日の朝ご飯や昼ご飯にさっと食べたいな」という場合は、前日の夜か空いてる時間にここまでやっておくと後はお湯を沸かすだけで準備が済むので楽ですよ。
翌朝。スープを隣であっためつつ、コロナ禍でもやしがなかったので豆苗をさっとゆで、その鍋で魚団子の代わりの栃尾あげを油抜きする。引きこもる前のスーパーで半額になってたのを冷凍してあったのがラクサに使われるとはな…!
ちなみにエビも前の晩とかに仕込んでたらここでさっと湯通ししてあたためるよ。
麺。こちらもオーストラリアでMarion’s Kitchenのミール・キットとともに購入したもの。米粉の麺だけどフォーじゃなくて細いおうどんみたいな感じ。
ゆでたり煮込む必要はなく、お湯で解きほぐせばそれでOKなチルド麺。便利。Amazon探してみたけど、こういう麺はあまり売っていない…。
ヘレンが作っているところ。手前のエビが乗っていないボウルにお湯がはってあって、そこに麺を入れてほぐしている感じです。
日本でつくる場合は、お好みの麺をゆでて、器によそったら、あたためた具材を盛り付けて、そこにスープを静かに注ぎます。
世界一おいしいラクサ・ヌードル完成
もやしの代わりに豆苗、魚団子の代わりに栃尾あげ、というなんとも「ありあわせ」感漂う盛り付けですが、世界一おいしいラクサ・ヌードル、完成!
このスープ…飲んでほしい…本当にインスタントとかレトルトの概念が変わるから…エビ出汁ってこんなに味に立体感をもたらすの…?え…?って絶句しちゃうから…。
そうだそうだ、世界一おいしいラクサ・ヌードルに忘れてはいけないものがもう一つありました。
チリ・サンバルという後入れ調味料。辛さと風味が増すのよ~。
ひとくちにサンバルといっても色々な種類があるので、日本では買ったことがないけれど…エビ&チリが好きならハマること間違いなし!
これをスープに溶かし、麺に絡めて~からの、リフトアップ。書いてたら食べたくなってきた(涙)。
こうして気に入った異国の料理を、日本で、ひいては昨今コロナでなかなか手軽に買い物などできない状況でもあるけれど、手元にある食材でどうにかするっていうのも料理の奥深くて楽しいところとわたしは思っている。
Marion’s Kitchenのミール・キットが売っているのは、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの3か国。世界中大変な時期とは思いますが、Marion’s Kitchenのラクサペーストが手に入った暁には、ぜひこのエビ出汁でラクサ、やってみてください!もちろんプリマテイストのラクサでも試す価値ありです。
簡単エビ出汁で世界一美味しいラクサ・ヌードルを!最後まで読んでくださってありがとうございました。