“カピ”って何?
カピ。カピソース。あまり馴染みのない響き。それはなぜか最近たまに変なものを安く売るスーパーで見つけた缶詰に書かれたものでした。
興味津々で手に取ると缶詰の横にはこんな説明が。
缶詰の説明によるとタイの伝統的なソースのよう。日本語で検索するとこの商品を取り扱っている会社のプレスリリースが‥‥クリックするとなんと、
コンビーフのノザキブランド‥‥!?
気づかなかった!缶を見返すと確かに商品名の左上にちょこっとノザキのって書いてある‥‥しかし、ノザキという文字を認識したからと言ってこれがあのコンビーフのノザキだって分かる人いるのかな‥‥。
それはさておき、日本語でカピやカピソースと調べてもなかなか情報が出てこないので、英語で調べたところ、タイのレシピサイトが出てきました。
タイ語でKapi=カピが指すものは、発酵させたエビ(またはオキアミ)のペーストのことで、カピソースとなるとタイ語ではNam P(h)rik Kapi、ナム・プリク・カピというそうです。
ライム、生のニンニク、エシャロット、ターキーベリー(エンドウ豆のようなナス)とたっぷりの唐辛子をみじん切りにし、香ばしくあぶったカピと混ぜ合わせてソースにします。調味は砂糖を少量追加するのみで、カピが発酵する過程で出る塩味とライムの酸味が味の主体になります。
タイの南部のカレー料理には必ずと言ってよいほど使われるようです。
シンガポールでいうところのサンバルソースのようなものですね。材料もほぼ同じです。
ここでノザキのカピ缶の原材料名を見てみると、「いわし、大豆油、唐辛子、エビペースト(えび、食塩)、シャロット、トマトペースト、にんにく、砂糖」と書いてあります。
タイのカピソース、ナム・プリク・カピと比べてみると、足りない材料はライムとターキーベリーです。ターキーベリーはエンドウナスと言われる豆のように小さな木の実のようなナスのことで、日本では馴染みのない食材。これがどういう風に味に影響を与えるのかは食べたことがないので想像がつきませんが、ライムが入っていないということは、本場のカピソースのような酸味はないようです。
タイではカピソースに茹でた野菜などをディップして食べるのが一般的で、他には焼き魚のソースにしたり前述のようにカレーの隠し味になったりと大活躍なよう。
しかしノザキのカピ缶はすでにサーディンがINしてしまっているので、純粋なソースとしての使い方は難しそうです。
そこで缶の説明に書いてある通り、今回はパスタにしてみました。思ったよりとても美味しいアラビアータみたいになったので、これからわたしと同じようにノザキのカピ缶に出逢ってしまった人たちの助けになればと思ってメモしておきます。
ノザキのカピ缶でイワシのアラビアータ風レシピ
材料(2人分)
- ノザキのオイルサーディン IN カピソース – 2缶
- パスタ (今回はスパゲッティーニ(ちょっと細いやつ)) – 2人分
- トマト – 中くらいの1個
- パスタ茹でる用の塩
- ニンニクチューブ – 1~1.5cm
- ナンプラー(なければ醤油) – 大さじ2(醤油なら大さじ1)
- 醤油 – 大さじ1
- クレイジーソルト(なければなんかのおいしい塩) – 適量
カピ缶以外に必要なメインとなる材料はパスタとトマトだけ!後はおうちにある調味料でなんとかなるなる。
それでは、パスタ茹でるお湯を沸かしつつカピ缶を開封してみましょう!
とりあえずお鍋にパスタ茹でる用のお湯を沸かします。そしてカピ缶を開封しましょう。
カピ缶は1人前につき1缶使います。今回は2人前作ったので2缶開けましたが、なんとなく入ってる量が違う‥‥?
気になったのでカピ缶をお皿に出してみました。左が少なく見えたカピ缶、右が多く見えたカピ缶です。写真だと分かりづらいかもですが、左の方が身がしっかりしていてソースが少なく、右はソースがたっぷりでイワシ自体は血合いの部分が多く骨なんかもゴロゴロ入ってました。
原産国もタイなので、缶詰めにもおおらかなのかな‥‥個体差があるようです。
ここで缶の横に書いてあった「そのままおつまみにも」という文言を思い出し、一つ食べてみます。思ったよりクセがなく、後からじんわりと口全体に滲んでくる辛さがあります。逆におつまみにするには少し塩味やエスニック風の香り・クセが足りない気もしますが、より万人受けするところを狙った味という感じもします。
ブログのためにカピ缶をいったんお皿に出しましたが、皆さんはそのままフライパンに開け放ってくださいね。そこにざく切りにしたトマトをいれます。この時最後のトッピング用に1/4ほどトマトをとっておくと仕上がりが綺麗になります。
中火にかけながら大きいな~と思うイワシの身を箸で適当にほぐします。
2.の時点でお湯が沸いてたら、そのタイミングでパスタを茹で始めてもOK。トマトを切る以外に目立った手順はありません(笑)。
ちなみに我が家のパスタの定番はディチェコです。なんてったって美味しいんです~!後からソースをフライパンで絡めたりする時は、裏面のゆで時間のアルデンテの分数にします。スパゲッティーニなら7分。
アルデンテ表記がない時は書いてある分数の-1~2分で茹で上げます。
コロナ、まだまだ続きそうなので、特に都心の方は、在庫あるうちにいつもより少しだけ多めにストックしておくとよいですよ(ぼそっ)。
パスタを茹でている間に、ソースの方に味付けします。まずは、ニンニクチューブをむにゅっと1㎝ほどフライパンに直接入れて混ぜ混ぜ。その後ナンプラーをぴゅーッと回しかけ(でなければ大さじ1.5~2くらい)、おいしい塩を適当に振りかけておきます。
今回はフランスのお友達にもらったクレオール島の塩を使ってみましたが、クレイジーソルトやガーリックやハーブが入った塩ならなんでもいいです。なければ普通の塩でもいいです。
パスタが茹で上がったらフライパンにどしゃっと移して、その上からパスタのゆで汁をオタマ8分目くらいかけて、その流れでパスタを盛るお皿にもオタマでお湯を入れてあたためておきます。パスタはお皿をきちんと温めておくと、おいしく食べられる時間が長くなります。
ここで強火にして水分を飛ばしながら、パスタをかき混ぜます。パスタの表面がカピ缶のオイルでツヤっとした質感に変わったら、最後に普通の醤油を~大さじ1ほど回しかけて、もう一度混ぜ、味見をします。
塩味が足りなかったら塩・胡椒をパラっとふって出来上がり。
お皿のお湯を捨てて、先に麺を盛り付け、後からソースと具材をかけます。トッピング用のトマトを散らして、お好みで粉チーズをかけて出来上がりです。
後からじわじわくる辛みがカピ缶自体にしっかりとあるので、唐辛子をいれなくてもしっかり辛い!おいしいイワシのアラビアータ風、完成です。
食べ応えのあるイワシがたっぷり入っているので満足度もあり、カピの旨味がソースに奥行を出してくれるのでリッチな味になります。
カピ缶にニンニク、さらにはナンプラーまで加えるので、調理中は結構においますが、盛り付けて食べる頃には臭さを感じることもなく、ちゃんと洋風な味にまとまっています。
辛いものやエビのコクのある旨味、イワシが好きな方なら間違いないノザキのカピ缶、買ってしまったらぜひ一度、パスタにして食べてみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!