シンガポール発の高級ブランドティーTWGでのティーサロンを筆頭に、優雅な時間が楽しめるシンガポールでのアフタヌーンティー。ティーサロンの他、リッツカールトンやラッフルズ、インターコンチネンタルなど、シンガポールの高級ホテルでは必ずと言っていいほどアフタヌーンティーが開催されています。
しかし、そんな高級ホテルのアフタヌーンティーでも、行ってみたら騒がしくてくつろげなかったという口コミがちらほら。また、紅茶やスイーツ、軽食などのクオリティがイマイチだった‥‥‥という残念なレビューも見受けられます。
今回は、シンガポールでアフタヌーンティーを探している方に、本当は秘密にしておきたい、穴場のアフタヌーンティーの様子をこっそりお教えします。
マンダリン・オリエンタル “MO Bar”
日本でも五つ星のラグジュアリーホテルとして名高いマンダリン・オリエンタル。ところ変わってシンガポールでも、ハイクラスなホテルのひとつとして人気がありますが、こちらのアフタヌーンティーは、BARで開催されることもあってか、落ち着いた雰囲気でおいしくゆったりとしたアフタヌーンティーが体験できます。
MO BARはマンダリン・オリエンタルの4Fにあります。最寄り駅は、ダウンタウン線のプロムナード(Promenade)駅ですが、タクシー、もしくはバスの方が近くまで行けて便利です。
他のアフタヌーンティーの開催場所と比べるといささか立地が悪いためか、予約がとれないということはまずないと思います。シンガポールでバスに乗るのが不安な方はぜひ下記の記事を参考になさってください。
MO BAR のアフタヌーンティー
美術館のような館内で気分を高める
MO BARのアフタヌーンティーは、予約の時間よりも早めについておくのがオススメです。美術館のような館内で優雅な雰囲気に浸りアフタヌーンティーへの気分が高められます。
セピアで統一された内装は、エレベーターホールに仏像が飾ってあったり、枯山水を彷彿とさせるデザインがどことなく和の雰囲気を感じさせます。
おいしい紅茶とワクワクが詰まったコースメニュー
MO BAR のアフタヌーンティーのメニュー。日本語のメニューの用意があるのが嬉しいポイント。メニューカバーも厚みがありデザインがオシャレ。左側が紅茶、右側がアフタヌーンティーコースの説明になっています。
この日は16種類の紅茶+追加10$で選べる3種類の紅茶の中から選ぶことができました。
カトラリーやお皿、ティーポットがテーブルに並びます。白色に銅色のアクセントがとてもシックで、特にティーポットはコロンとした形が可愛い。
5人で皆バラバラの紅茶を頼んだので、一見中身が分からなくなりそうですが、そこはきちんと、タグをつけてくれる配慮がされていたのもGOOD。
わたしは白茶が好きだったので、蘭のフレーバーがする台湾ウーロン茶と白茶のブレンドティーを選びました。White Knight Tea(白い聖騎士の紅茶)というネーミングも素敵です。
軽やかで香りも良く、どの食事ともよく合いました。
アールグレイティーのインフュージョン
一皿目に出てきたのはアールグレイティーのインフュージョン。アールグレイのゼリーに柑橘系の香りが爽やかなムースが乗っています。
食感のアクセントになるカリカリとしたトッピングも相まって、最初から完成度の高い一品!一気にこれからのお料理への期待も高まります。
パーニープリー、クエパティ、生春巻き
続いて、ユニークな見た目のフィンガーフードが3種類やってきます。左から、パーニープーリー、クエ・パティ、生春巻きです。
シンガポールの多国籍な人口構成を象徴するような盛り合わせで、パーニープーリーはインドの揚げ菓子、クエ・パティはプラナカンの代表料理の一つ、生春巻きはベトナムのイメージが強いですが北京ダックがまかれているので中華系を表していると思われます。
パーニープーリー。名前も愛らしいのですが、フォルムもまんまるでかわいらしいです。中にはタマリンドのコンポートが入っており、パリパリとした外側はすごくおいしいのですが中は意外にも甘くてみんなで「?」となりました(笑)。でも、おいしかったです。
クエ・パティ。ロブスターが練り込まれたサクサクのタルト生地に、ラクサ風味のエスプーマ(スープ仕立てのムース)が入っています。フィンガーフードなので、一口で食べられてしまうのですが、これはいくらでも食べたいくらいおいしかったです。
しっかりお肉のついた北京ダックが入った生春巻き。胡瓜の千切りも美しい~。これは皆が好きな味。
カヤパンケーキ、アップルフロスティ、ピタパン
続いてもちんまりとした見た目のキュートな子たちがお皿に盛られてきます。
まずは、りんご飴みたいな見た目が可愛いこちら。
何味か不思議に思うと思うんですけど、サーモンなんです…。
赤リンゴの次は青りんご。こちらも、中身はハマチのマリネが入っていました。上はリンゴ風味のソース?不思議が続きます。
こちらはカヤトーストが好きなら、シンガポール定番の味。カヤパンケーキのポーチドエッグのせ。こんなに小さいのにパンケーキは3段重ねでポーチドエッグが乗っているのすごくないですか‥‥‥!
ちんまりピタパン。どんなに小さくても、レタス、キュウリ、豚肉、赤トウガラシが綺麗にのっかていて、味もおいしい!
マンダリン・オリエンタル 特製スコーン
良い感じにしょっぱいものを堪能したところで、アフタヌーンティーの醍醐味のひとつ、スコーンが登場!
この日は、クランベリーとヘーゼルナッツのスコーン&マダガスカル・バニラのスコーンでした。
半分に綺麗に割れるスコーンはホカホカ。たっぷりと塗れる量のサワークリームやジャムがついてくるのもありがたいです。
しかもこのジャムがすごくおいしくて、買って帰りたいくらい!濃厚なのに重くなくて、これがあったらスコーンを量産してしまう危険なジャム‥‥‥。
チリクラブパイ&ポテトと海藻のパフ
スコーンと同じくらいのタイミングで運ばれてきたパイ。
チリクラブパイは、サクサクのパイ生地はあったかくて食感がよく、しっかりカニのほぐし身とピリッとしたソースが相まってトレビアン!。
ポテトと海藻のパフはこんな感じです。しっかり海苔の黒色が見えています。海藻の塩気とクリーミーなマッシュポテトが合う!“海藻とポテト”と聞くと一瞬困惑しますが、言い換えれば我々に馴染みのある“ポテトチップスのりしお”味みたいなもなので、おいしいはずです。
長い道のりを経てようやく‥‥‥
パイを食べ終えたところで、ついにアフタヌーンティーの主役とも呼べるトレーが到着!
本来は三段目、二段目にあたるスコーンや軽食がこれでもか!とコースで振舞われた後なので、出てきたトレーには二段とも可愛らしいパティスリーが並びます。
このトレーも曲線のラインを活かした美しいフォルムで印象に残っています。取り分けるためのツールが、トングではなく箸なのもスタイリッシュだなと思いましたが、これは私たちが日本人だから配慮してくださったのでしょうか?
それでは一つずついただいていきましょう。
苺ヨーグルト
日本語のメニュー名は“苺ヨーグルト”なのですが、漆の朱色のような光沢を持った色と質感が、深い味わいを想像させます。
ナイフを入れるとようやく“苺ヨーグルト”らしい様相が。プルンとした甘酸っぱいコーティングと爽やかな苺ヨーグルトのムース、下に敷かれた苺風味のフレークが合わさって、見た目よりも軽やかなおいしさが楽しめました。
バナナチョコレートタルト
濃厚なバナナクリーム、バナナのピュレがトッピングされたタルト。土台となる生地は、タルトというより焼き菓子のような食感でした。こちらも思ったより甘さ控えめ。よくあるチョコバナナのバランスではなく、バナナの持つ独特なトロピカルの香りが活かされた少し大人の一品でした。
フォレストベリーティーのマスカルポーネ|カシスロール
鮮やかなパープルとホワイトのストライプが印象的なカシスロール。もっちりとした生地にサンダルフォーのフォーベリージャムのようなソースとマスカルポーネがくるまっていて、分かりやすい美味しさ。
オレンジコーヒーパウンドケーキ
糖分の摂取量が限界を迎えそうだったので、残っている中から一番甘くなさそうなものを。カフェモカ味みたいなのを想像していたら、思ったよりも甘くて、甘くて‥‥‥(それ以外覚えていない)。
エキゾチック・ココナッツ・ダコワース
気を取り直して。純白の粉雪を纏ったような繊細な外見。しかし、メニューには“エキゾチック”という形容詞が入っており、はて‥‥‥中に何か突拍子もないものが入っているのかな?とナイフを入れると、
マンゴーのジュレが包まれているー!(テンションだだあがり)。ふわふわのココナッツミルクの香りがするクリーミーで軽やかなムースにマンゴージュレ‥‥‥合わないわけがない組み合わせです。
粉雪に見立てて塗されたココナッツパウダーの食感もアクセントになってとてもよかったです。
ピスタチオクランチクラウド
ベイクドチョコレートの歯ざわりのよい外側と、柔らかく濃厚なチョコレートケーキに挟まれたピスタチオソース‥‥‥。
甘いのもう無理!と思いながらも、一口食べると最後まで食べたくなってしまうのが凄いところ。同席した他の4人も、大満足の様子でした。
チョコレート|プラリネ
最後のチョコレート・バーだけはビュッフェ形式で、食べたい人だけ取りにいきます。もう全員お腹パンパンで一人一粒が限界‥‥‥。それでも口の中でほどける美味しいチョコレートは、無理をしてでも口に運んだことを一切後悔させないクオリティでした。
MO Barのアフタヌーンティー オススメポイントまとめ
心もお腹もはち切れそうなくらい満足度の高いMO Barのアフタヌーンティー。ご覧いただいた通り、ラグジュアリーですが落ち着いた雰囲気の中、目にも麗しく美味しい軽食・スイーツの数々をお気に入りのお茶と共にゆったりと楽しむことができます。
基本的に満席になることはありませんし、席の配置にもゆとりがあるので、周りの人の話し声が気になるようなこともめったにありません。
子連れとデートで来ているであろうグループを遠ざけるなどの配慮も見られ、途中、小さい男の子が騒ぎ始めたのですが、この時も「他のお客様がいらっしゃるので静かにしてください」とすぐに声をかけていて、流石だなと思いました。
サービスもとても行き届いており、差し湯のタイミングや写真撮影の声掛けなど、どのスタッフの方も快くにこやかに対応してくださったのが印象的でした。
価格も、当時(2018.11)は1人だと48$++、2人だと88$++。TAX、サービス料を足しても一人当たり60$前後(約4,800円前後)なので、他の5つ星のホテルと比較しても変わりなく、むしろこの内容なら安いくらいだと思いました。
また、日本語のメニューもありますので、旅行でシンガポールへ来られて、初めてのアフタヌーンティーにもオススメです。
以上、マンダリン・オリエンタルホテルのMO BARでのアフタヌーンティーについてでした。最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。