山形県酒田市生石 「大松家」。まるで旅館のような風情のある里山の旧家でくつろぎながら田舎蕎麦が食せる人気の蕎麦店です。
営業時間は11:30からとなっていますが、11:00頃から開いている日も多く、予約がない場合は早めに伺うと待たずに済みます。
この日は元々近所の蕎麦店「きよ」に行く予定だったのですが臨時休業していたので、私達も予約なし、伺った時刻は11:15頃。まだ客を迎える準備の最中忙しない雰囲氣を携えながら、ひとりの店員さんが玄関に菊の花を活けて小走りで駆けていきました。
「普段は予約は要らねんでも今日はいっぱいでの。12:30まででいいか?」と標準語に慣れた耳では、少し聞き取りにくい訛りで伝えられます。
いい、と告げると「席の準備すっから待っててください」といわれ、囲炉裏の前でしばし待機。
焼きマシュマロ。待ってる間、自由に食べられる焼きマシュマロのサービスがありました。早速竹ぐしにマシュマロを刺して囲炉裏の火の傍で待つこと数分…。
良い感じに焼きあがったマシュマロは外サクッ中とろ~ふわ~の夢見心地な食感がたまらぬおいしさです。
まだまだ時間がかかりそうだったのでお庭をふらり。
見事な紅葉を写真に収めながら眺めていると、寒いから中で待つようにと、待合室に通されました。
30分くらいすると旅館の一室のような座敷へ案内されました。気分は既に小旅行です。
コースも気になりましたが時間がなかったのでみんなそれぞれお蕎麦と天ぷらを注文。
胡麻豆腐と香の物がきます。箸置きの代わりに椿(?)の葉で浮かしています。粋だなぁ。胡麻豆腐はやさしい甘さの餡掛けがかかっていておいしい。
続いて、鉄鍋に人数分のつけ汁がまとめて運ばれてきます。この日は鴨汁そばが3人前ときのこ汁そばが2人前。鴨汁はざるそばを熱い汁につけて食べるスタイルで、きのこ汁は茹で上げです。
東北らしい色が濃くて塩辛いつゆはそのままでは舌が痺れて味わえないくらい濃いのですが、とろとろのネギや青菜の食感と鴨の風味・脂が移って、蕎麦を絡めるとまぁおいしい!
甘皮が香ばしく味の強い田舎蕎麦に負けないつけ汁です。鴨も肉厚。ただ、最初はアツアツで良いのですが、やはり冷たいお蕎麦をつけて食べ進めているとぬるくなってきてしまうので、最初のうちはお椀に少しずつおつゆを注いだ方がいいです。
飲める濃さではないので、最初から普通に注いでしまうと、熱い汁を足してもすぐに冷めて二進も三進もいかなくなってしまいます。
きのこのお蕎麦は様々な種類のきのこがたっぷり、そして鴨とはまた違う山菜が入っていたりして、鴨とは違う出汁や旨みがありました。こちらはきのこの天ぷらもついてくるので女性の方やお一人様にはちょうどよいセットかもしれません。
天ぷらは可もなく不可もなく、です。お椀におつゆがなみなみあったので、蕎麦湯が存分に楽しめず残念。でもこういうスタイルのお蕎麦は初めてだったので、勉強になりました。
デザートはタピオカココナッツミルクに青無花果の煮詰めたのが半分。さっぱりして美味しかったです。
お蕎麦が美味しいのはもちろんのこと、ちょうど紅葉の美しい時期で、お部屋から見えるお庭にはししおどしがあったりして、細やかな気遣いの感じられる接客も気持ちよく、本当に素敵なお蕎麦やさんでした。
調べたところ、夕方に訪れる際は予約が必要だそうです。お昼も土日なら予約した方がいいかもしれません。待つ間にのんびりと焼きマシュマロを楽しみたければ別ですが…。
また大松家さんのWebサイトを見るとお抹茶がいただけるサービスもあります。メニューもコースも様々あるので、ぜひご覧になってから訪れてみてください。
それでは、また。
大松家の情報
店名 : 大松家
電話 : 0234-94-2617
営業 : 11:30am-3pm(L.O.2:30pm)/ 5pm-9pm(L.O.8pm)
定休 : 火曜日
住所 : 〒998-0802 山形県酒田市大字生石上坂125
URL : http://omatsuya.jp/top/