シンガポールの観光中、ホーカーや喫茶店でホッと一息。そんな時、メニューの中に必ず見るであろうKopiの文字。
「飲み物なのは分かるけど一体何!?しかもただのKopiにKopi O,Kopi C…って何が違うの??」
う~ん、わたしにはわかります。この記事を読まなかったあなたの未来が‥‥。
シンガポールのコピ=Kopiは、シンガポールの年中暑~い気候にぴったりな飲み物。こちらの記事さえ読んでおけばメニュー表の前でしどろもどろなんて気まずい状況は避けられます!
今回は、シンガポールのコピが大好きなわたしがコピについてのあらゆることをあなたに伝授!これであなたもコピマスター!ぜひごゆるりと最後までお付き合いください。
コピって何?
シンガポールでは、珈琲=コピです。が、めっちゃ甘い。そして濃い。
甘さの正体は練乳(コンデンスミルク)です。このコンデンスミルクが下に沈むので、かきまぜたりすくったりするようにレンゲと一緒に出されるのがシンガポールでは一般的です。
最近では、普通の珈琲マグやお店のロゴが入ったカップで提供するお店も増えてきていますが、伝統的なコピを出すお店では、厚みのある陶器に花柄のイラストが描かれた小さなカップを使います。
シンガポールでは、主に食後やおやつ、ちょっと一息つきたい時に、ホーカーやコピティアム(=コーヒーショップ)で飲まれることが多いです。
コピ(Kopi)自体はマレー語で、シンガポール以外の東南アジアの国々でも文化として根付いていたりします。
シンガポールでのコピの値段は1$~高くても2$くらい。これはホットの場合で、アイスにするとやや高くなる傾向にあります。
コピのユニークな焙煎&抽出方法
コピはコンデンスミルクを最後に加えるだけでなく、その焙煎・抽出方法にも特徴があります。キャラメルシュガーやバター、マーガリンなどと共に深煎りを超えるほど黒くなるまでコーヒー豆を焙煎し、ネルにコーヒー豆を入れ、ドリップとは違い、3分程お湯に浸らせて写真の大きな如雨露のようなポットで抽出します。
また、そのままではあまりにも濃すぎるコピは、カップに淹れた後、お湯で割るのもデフォ。驚かないでくださいね。
たくさんある!コピの種類と頼み方
Kopi O(コピ・オー)やKopi C(コピ・シー)などのメニューに記載のあるものを始め、コピは自分好みにアレンジして楽しむことができるドリンクです。
代表的なものから説明すると、Kopi Oはコンデンスミルクの替りに砂糖で甘みをつけたもの、Kopi Cはコンデンスミルクの替りにエヴァミルク+砂糖を入れたものです。
エヴァミルクとは甘くないコンデンスミルクのことで、コンデンスミルクよりさらっとしていますが、牛乳よりもクリーミーでマイルド。シンガポールではスープビーフンをマイルドにするのにも使われたりします。
コピを頼んでみて「甘すぎるな」と思ったら、Kopi Cを頼んでみて!Kopi Cは私のお気に入りでもあります。
シンガポールでブラックコーヒーは頼めない?
そんなことはありません!もしあなたがブラックコーヒーが飲みたい!という時には、Kopi O Kosong(コピ・オー・コソン)と注文すればOK。
Kosongとはマレー語で英語のEmptyに該当する単語で、コピ・オー・コソンと注文するのは、“砂糖も抜きのブラックで!”というような意味になります(ちなみにOは福建省などで話される中華系の言葉でBlackの意味)。
アイスコーヒーの頼み方
アイスのブラックコーヒーが飲みたい時はさらにPeng(ペン)という単語をおしりにくっつけます。
アイスのブラックコーヒー=Kopi O Kosong Peng(コピ・オー・コソン・ペン)
これは他の種類のコピでも同じ。アイスのコピはKopi Peng(コピ・ペン),アイスのKopi CはKopi C Peng(コピ・シー・ペン)といった感じです。
英語では注文できない?
ここでふと疑問に思うはずです「英語での注文はできないのか?」。
正解は✕よりの△といったところでしょうか。
ホーカーでコピを頼む場合は、そもそもメニューがここで紹介したCOFFEE LINGO(コピを頼むための言葉)で書かれているので、覚えていった方が慌てなくてすむでしょう。
実体験としては、初めてシンガポールに行った時、「Kopi Ice,Please」と言っても通じず、身振り手振りでフリーザーを指さしたりして3回くらいアイス!アイス!と粘ってようやくアイスコピを飲めた思い出があります(笑)。
また、“COFFEE”と書いてありながら、普通にコピを出すお店もシンガポールではたくさんあります。
まだまだある!上級者向けCOFFEE LINGO
COFFEE LINGO、シンガポールでコピを楽しむためにに覚えておきたい用語はまだまだあります。
例えば Kopiはその焙煎方法や抽出方法から、お湯で割ったとしても普通のコーヒーよりも濃く感じる傾向にあります。これを薄くして!という時は、Pou(ポー)という単語を後につけます。
One Kopi Pou,please! = 薄いコピひとつ頂戴!といった感じです。
反対に濃くして!と言いたい時はGao(ガオ)を飲みたいものの後ろにくっつけます。なかなかいないでしょうが、最高に濃くして!はDi Lo(ディ・ロ)をやはり飲みたいものの後ろにくっつけてオーダーします。
ただ初めていくホーカーなどでこれをやると流石に「うちの店の味しっとんのか?」という話になりますので、お店の人に顔を覚えられるくらい常連になったらにしましょうね。
こちらもその店の味を覚えたら、の話ですが甘さを調節してもらいたい時には、Siew Dai(シェウ・ダイ)、Ga Dai(ガ・ダイ)という2つのどちらかを使います。
先ほどの濃くしてがGaoというならばGa Daiは‥‥なんとなく、そうです!もっと甘くして!逆にSiew Daiは甘さ控えめでという意味です。
濃さや甘さの調節は、馴染みの店でないとなかなかいう機会もないかもしれませんが、初めてのホーカーでもローカルから一目置かれる魔法のCOFFEE LINGOがあります。
それが Kopi Sua(コピ・スア)。
これだけで、「コピを2杯ください」という意味になります。Suaは、「同じものをもう1つ」という意味なので、例えば、Kopi C Peng Suaと言うと、アイスコピC2つという意味になります。
初めてのシンガポールのデートやアテンドで、彼女や遊びに来た友達の前でこの注文の仕方ができたらかっこいいですね。
コピとカヤトーストの相性は抜群!
シンガポールのモーニングの定番メニューは「コピとカヤトースト」。
カヤトーストとは、ココナッツと卵とお砂糖を煮詰めてパンダンリーフというハーブで香りづけした甘~いジャムを、バターと一緒に、一般的には薄切りのトーストしたパンでサンドしたものです。
コピを頼むときにカヤトーストがメニューにあったら、ぜひ一緒に頼んでみてください。
おいしいコピが飲めるお店
最後においしいコピが飲めるお店をご紹介します。とはいっても、ホーカーやデパートに入っているフードコート、ローカルのチェーンの喫茶店など、シンガポールではいろいろなところでコピが飲めますが、どこもマズイ!ということはめったにないのでご安心ください。
1. 南洋老珈琲
伝統的なスタイルにこだわる南洋老珈琲(Nangyang Old Coffee)。クラシックなコピは、濃厚な香りとは裏腹に、マイルドでバランスのとれたやさしい味。思わずおかわりしたくなってしまう美味しさです。
チャイナタウンの店舗には小さな博物館が併設されており、シンガポールやコピの歴史・文化について学ぶことができます(無料)。チョンバルのリンク・ホテルの1階、カトンのシティ・ゲート・モールにも店舗があります。
2. Ya Kun Kaya Toast
言わずと知れたシンガポールのカヤトースト専門店チェーン、ヤクン・カヤトースト。シンガポールの中心部だけでも30店舗数を持つので、観光中に必ず目に入るはず。オススメはファーイースト店。日本語メニューもあって安心です!
普通のコピもおいしいのですが、ヤクン・カヤトーストでは、ぜひアイス・コピにトライしてみてください。歩き疲れた体に冷たくて濃厚な甘さがしみわたります!
2020年7月には、ついに日本にもヤクン・カヤトーストが上陸しました!
3. 五十年代
ホーカーで見つけたらマストトライ!マックスウェルフードセンターの店舗では過去にミシュランのガイドブックに掲載されています。
私の初五十年代は、チャイナタウン・コンプレックスの2階でご飯を食べているときにローカルのおじいちゃんに突然話しかけられ、「ここのコピがうまいんだぞ」と教えてもらって知りました(その後めっちゃ昔話を聞かされたのはいい思い出)。
濃厚でカラメルのような香りと甘さが際立つコピは、確かに他では味わえません。キャラメル・マキアートが好きなら好みな味だと思います!
シンガポールでの街歩き中に欠かせない飲み物コピ。こちらの記事で紹介したCOFFEE LINGOをもとに、あなたのお気に入りのコピが飲めるお店を見つけてみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。