3週間滞在したシンガポール、2019-2020年の年越しはデカダンスなデザインホテル「バガボンド・ホテル(The Club Vagabond)」で過ごしました。そしてこのホテルでもらえる手作り感満載のグルメ・マップに載っていたお店を片っ端から調べていたところ、Hill Street Tai Hwa Pork Noodle(ヒルストリート・タイファ・ポーク・ヌードル)がピーンとひっかかる。
なんとなく写真がおいしそう~1時間半待ち~?いいやんいいやん、年越しっぽ~い!と大晦日のお昼に、年越しそばならぬ年越しバクチョーミーを食べにでかけました。
何のお店?Bak Chor Mee(バク・チョー・ミー)のお店!
Hill Street Tai Hwa Pork Noodle(ヒルストリート・タイファ・ポーク・ヌードル)という店名からして、「豚肉と麺の何か」を食べられるお店ということはわかると思うのですが、Bak Chor Mee(バク・チョー・ミー)という豚ミンチがトッピングされたワンタンヌードルが食べられるお店です。
シンガポールで食べられる一般的なヌードルと同様、スープとドライタイプがあり、ドライはピリ辛の和え麺を出すところが多いです(辛いのが苦手な人は頼むとチリを抜いてもらえます)。
Google map に店名を打ち込んで写真をチェックしてよさげなお店にピン、というのをひたすらやっていたので、店決めの時には”ミシュラン”の文字が目に入っていなかったのですが、ここが正真正銘、世界一安いミシュラン一つ星のバク・チョー・ミーのお店です!
“世界一安いミシュラン”ってどういう意味?
シンガポールのローカルグルメが楽しめるホーカーでは、意外にもミシュランくんが貼ってあることが多いのですが、
ミシュランガイドには一つ星の下にビブグルマンというランクがあり、ホーカーでミシュランステッカーが貼ってあるお店はこのビブグルマンとして掲載されているお店がほとんどです。
ビブグルマンはお値段が手ごろ(日本だと3500円以下)でオススメの料理があるお店という意味。さらにその下にミシュラン・プレートというミシュランの基準を満たした料理があるお店という区分けもありますが、そのどちらに選ばれてもミシュランシールは貼れちゃうようです。
しかし、2019のシンガポール・ミシュランでは、ミシュラン・プレートが140店舗、ビブグルマン58店舗掲載されているのに対し、1つ星は37店舗しか選ばれていません。
そして、この1つ星37店舗中、5-10$という値段で食事ができるのは、ここ、Hill Street Tai Hwa Pork Noodle(ヒルストリート・タイファ・ポーク・ヌードル)だけ!
鮨やイタリアンなどの高級料理店ばかりがピックアップされている中、ホーカー飯で1つ星をとるというのがどれだけすごいことか…。
参考
1 Star MICHELIN in SingaporeMICHELIN GUIDE 2019
ビブグルマンやミシュラン・プレートというランクをしらずにシンガポールを食べ歩いていると、「なんや安くてミシュラン食べられるお店なんていっぱいあるやん」と思ってしまいがちですが、正確には、世界一安いミシュラン一つ星を獲得したお店は、Hill Street Tai Hwa Pork Noodle(ヒルストリート・タイファ・ポーク・ヌードル)以外ないのです。
Hill Street Tai Hwa Pork Noodle へのアクセス
前置きはこれくらいにして。Hill Street Tai Hwa Pork Noodle(ヒルストリート・タイファ・ポーク・ヌードル)への最寄り駅は、MRTであればEW(イースト・ウエストライン)のLavender(ラベンダー)駅になります。
もしくはバスが便利だと思います。
【シンガポール】安い・速い・便利・楽ちん!シンガポール観光の幅をぐっと広げる”バス”の乗り方を徹底解説
わたしたちはホテルから歩いて行ける距離だったので、Vagabond Clubから、10分くらいふらふら歩いていきました。
エリア的にはアラブストリートのはずれといった感じです。
大華餐室 TAI HWA EATING HOUSE というオレンジの看板のホーカーズに入っています。正面向かって右側で並んでいるホーカーはここくらいなのですぐわかるとおもいます。UNION GROUPの青い屋根、テーブル、派手なオレンジの椅子を目印にしてもよいかもしれないです。
Hill Street Tai Hwa Pork Noodle の待ち時間の過ごし方
わたしたちがお店にたどり着いたのが15:15で食べ始めたのはなんと…16:50!約1時間半の待ち時間でした。
「無駄な時間な気がしてきた…」と心折れかけてる彼を「ブログ書いたら~?」と励ましながら(?)、待ち続けることいと永し。ラスト30分はわたしは空いている席に座らせてもらってたんですが(ありがとう)、本当に、多分、どれだけ空いてても1時間前後は待つと思うので、誰かと一緒に行くのをオススメします。
ひとりだとお手洗いに行きたくなった時とかもつらいし、喉渇いたから飲み物買おうということもできないし。複数人なら、交代で列で並べます。複数人で並んでいる人はみんな先に席をとって交代で並んでいましたし、相席もすごく快く(おそらくそのホーカーにいる人がほとんど同じ境遇だから)OKしてくれます。
わたしたちが到着してから、お店を出る17時20分までの間で、一番列が短いのが退店時だったので、一例ですが、短めの列を狙うなら17時前後が良いかもしれません。ソロタビというガイドブックでもピークを外すなら16~17時と載っていました。
白いスカートの女の子が最後尾です。
おそらくここから早くて45~50ふんくらい。あくまでも目安です!
ドライとスープ、どっちがおいしい?他のメニューは?
ドライを食べている人が7割という印象でしたが、個人的にはどちらかならスープ推しです!ちなみにミシュランの掲載ページもスープの写真が使われています。
普段ヌードル系は迷いなくドライを選ぶのですが、ここのスープの滋味深さはもうやみつきに!もうむしろこのスープだけスタンドで売ってくれないかなと思うほどです。ドライにもおそらく同じベースのスープがついてくるのですが、麺やワンタンなどの具材が入っているからなのか味が違い、スープに奥行きと甘味が加わるんですよね…!
そして白いやわ麺がつるつるっ…つるつるっ…とスープと海苔の香りを纏って口に入り込んでくる…こいつは天の羽衣か…なんやこの至福体験は…。
さて、ドライ。こちらのドライは黒酢?が使われているのか、酸味があって独特なタレの味がします。タレだけどいまいちつかみどころが?と思うのですが、こいつはね、この麺のために生まれてきたんだよ。
麺にもう絡みに絡みに絡みまくって、味がエヴォリューション。普通に食べているのにね?絡めようとかしてないのにね「あなた(麺)のために生まれてきたの!」と言わんばかりのタレなのです。麺と共に味蕾に触れた瞬間、泣けてくるくらい旨い~待ってよかった~ってなります。あとあんまり辛くないです。
具材は肉団子、豚肉各部位、ワンタン、あおさで、ドライも同じ。右下のふちに柄がついているどんぶりのドライだけ8$で後は6$。6$だと具材も少しずつです。
麺とスープとタレのおいしさは伝わったかなと思うのですが、具材もすごくフレッシュで、臭みゼロ!豚肉の各部位には内臓系も入ってるので、苦手な方は苦手かもしれませんが(というかモツ系ダメな方は並ばない方がいいです)、旨味と触感が違うだけ、という感じです。すごい。
わたし、内臓系はいけるのですが、肉団子がどうも苦手で、不味くて、というか口に入れた瞬間気持ち悪くて出しちゃうことがたまにあったりするんですけど、ここの肉団子は本当に、本当に、本当においしかったです。
メニューに肉団子だけがたくさん入っているスープがあって( の5番)前の前のお兄ちゃんがドライと一緒に頼んでたのですが、見た時ちょっとうわ…って思ったんですよ。でもね、いける。いけると思う。おいしいから。
ホーカーあるある調味料は、チリとナンプラーが用意してあるのですが、ナンプラーがペットボトルのふたにキリで穴をあけた自家製の容器に入っていてなんかよかったです。
今回も準備万端で、小皿にたくさん持ってきたのですが、正直ね、いらない。バランスというか味の形が完璧なのですよ。特にスープ。本当に、こんなにチリナンプラーに見向きもせず食べ終わったホーカー飯、他にないと思う。
2人でスープ6$、ドライ6$、ドライ8$=20$で最高の年越しそばならぬ年越しバクチョーミーが食べられました。
ひとりでどちらも食べたいな~という方はスープ6$、ドライ6$で。女性でも余裕だと思います。量はそれほど多くないので、男性であれば8$×2でもいけると思います。
前のおじさんは、イートインで1食、テイクアウトで2皿分購入してました。それめっちゃいいな…!って思いました。
行列覚悟で食べる価値アリ!絶品バク・チョー・ミーお試しあれ
はい、ということで最高の幕引きとなった2019年。1時間は行列しますが、豚の内臓系OK、複数人で行けるならぜひ一度は食べてみてほしい逸品でありました。オススメの時間帯は17時前後、お水持参か隣のドリンク・スタンドで水分補給しつつ並んでみてください。
スープの方は、日本人の9割がおいしいと思う味じゃないかなぁ。ちょっとアクセスが悪いのがキズですが。ということで、2020年もたくさんおいしいものが食べられますように!あでゅー。