エコノミーでも足元広々!でも…非常口座席のメリット・デメリット【ANA編】

飛行機の座席選びは、フライト時間の長い海外旅行においては重要な要素です。エコノミーの場合、主に窓際・通路側で好みの分かれる座席選びですが、どちらにせよ足元の窮屈さがネックとなります。今回は、そんなエコノミークラスの場合でも足元広々!非常口座席についてメリットとデメリットについてまとめていきます。

データソースはANAのB787-9とB767-300ER

非常口座席全般にいえるメリットとデメリットをピックアップしていくのと同時に、私が実際に利用した機体については細かく見ていきます。

ボーイング 787-9 の非常口座席

2018年11月に彼と友人3人を引き連れシンガポールに旅行に行った際は3人並んで非常口座席が取れました。

B787-9は、ANA国際線の主力機となっています。東南アジアを始め、ヨーロッパやアメリカのフライトでも使用されているので、皆さんも利用することが多いと思います。

オレンジの枠で囲った席が、実際に利用した非常口座席となります。

ボーイング 767-300ER の非常口座席

香港旅行の際に利用しました。

前出の787-9よりやや小型の機体です。近・中距離で使われることが多いようで、機内のアナウンスでは「香港エアバス」として紹介されていました。

オレンジの枠で囲った席が(以下略)。2列でさらに快適度UPでした。

非常口座席のメリット

メリット①足元広々!前に座席がないから足が伸ばせる

非常口座席は機体にもよりますが、総じて足元が広い設計になっています。

ボーイング 787-9 の非常口座席の足元

787-9非常口座席

787-9の非常口座席は通常の座席間と比べると倍以上の広さがあるということが、写真から分かると思います。

窓側の席は非常口が飛び出ていますが、それでも足を伸ばすには十分な広さがあります。大柄な男性だと厳しいかもしれませんが、女性であれば問題はないと思います。ちなみに写真に写っている友人(女性)の身長は164㎝です。

ボーイング 767-300ER の非常口座席の足元

2列だったのは良かったのですが、座席の前に

767-300 のついたて

謎のついたてがある…!

非常口座席はCAさんが目の前に座ることも多いので、双方の気まずさを払拭するためのものと思われます(笑)。

767-300の足元

それでも足元には他の座席よりもずっとゆとりがあります。

767-300 横から

座席に対して垂直に立ってみた写真。

基本的にエコノミークラスの座席では、テーブルを広げると前を人が通れないくらい狭くなってしまいますが、非常口座席では、テーブルを広げたままでも、人が通れる余裕がありました。

メリット②トイレの混み具合が一目でわかる

こちらはデメリットと表裏一体でもあるのですが、非常口座席はトイレが目の前にあるので、混み具合が一目で分かります。

加えて非常口座席だと出入りが楽ちんなので、「あ、空いてるな」と思ったら隣の人を気にせずスッとトイレに足を運べます。

座席の隣が同行者の場合は別ですが、長時間のフライトになればなるほど、このストレスから解放される効果は大きいと思いますよ。

メリット③荷物入れがほぼ専有

非常口座席より後ろの列は、3~5席で荷物入れが割り当てられていますが、非常口座席は中央列に座席がない分、片側列のみの席数(2~3席)で1つの荷物入れが割り当てられています。

ボーイング 787-9 の荷物入れ

3席で1つの荷物入れを使える機材でした。しかし!荷物入れの大きさが後列の荷物入れの約半分…。

1人の人が大きな荷物を入れてしまうと他の人は入れることができないくらいの狭さでした。

後列よりも、荷物入れを開ける人が限られているため、プライバシーが守られる点は残りますが、この機体で非常口座席を利用する際は、手荷物はコンパクトにまとめておくことをオススメします。

ボーイング 767-300ER の荷物入れ

B767-300の場合は後列と同じサイズの荷物入れが利用できます。カップルでも友人でも、2人で旅行すれば、他の人に気にすることなく、荷物入れを専有できることになります。

荷物を間違われる心配や荷物入れのスペースを気にする必要がないので、よりストレスフリーです。

メリット④機内食の配膳が早め

機内食の配膳がエコノミークラスの中では早めです。

ギャレーが隣にあるため、補充してから一番最初に回ってきます。食事は一番温かい状態で、飲み物は一番種類豊富に揃った状態で提供されるので、メリットと言っていいでしょう。

また、機内の食事は2種類から選択するのが一般的ですが、人気のある方が品切れという心配もないのが嬉しいポイントです。

メリット⑤何かあった時にCAさんに声をかけやすい

非常口座席はギャレーの隣にあるので、CAさんが見回りをする際に、最初に目を配ってくれます。後列では、窓側の席の人はCAさんを呼び止めにくいと思いますが、非常口座席では席前に十分なスペースがあるので、CAさんの注意を惹きやすいのです。

また、CAさんがギャレー内にいる時はチャイムボタンを押して、来てくれるのを待たなければいけませんが、非常口座席だとギャレーのカーテン越しに「すみません」と声をかければすみます。

飲み物がほしい場合や何か困った時にCAさんに声をかけやすいというのは、フライトを安心・快適にしてくれる要素でもあるのではないでしょうか。

メリット⑥モニターが収納式で位置が自由

エコノミークラスの場合、通常モニターは前の座席の人の背もたれに埋め込まれています。角度の調整はある程度効くものの、前の人が座席を倒したりするとふいに見づらくなったりして、集中できないことがありますよね。

非常口座席は前に席がないので、モニターは肘掛けに収納されています。位置や角度が自分の座高や好みに合わせて柔軟に調整できるというのは、フライト中に映画鑑賞を楽しみたい人には大きなメリットではないでしょうか。

 

 

非常口座席のデメリット

続いて非常口座席ならではのデメリットを紹介していきます。

デメリット①足元における荷物の大きさに制限がある

非常口座席は、膝の上における程度の荷物しか外に出しておけないというデメリットがあります。

これは非常口への動線をさまたげないようにという航空法で決まっていることですので、抗いようがありません。

第七十三条の四 附則 第百六十四条の十五  (安全阻害行為等より七)
手荷物を通路その他非常時における脱出の妨げとなるおそれがある場所に正当な理由なく置く行為


参考
航空法第 73 条の 4 第 5 項関係参照条文国土交通省

また、前の座席についている物入れポケットが、前方の壁にあるので、携帯や眼鏡など小物をとりあえず入れておく場所がないのは不便です。

対策としては、小型のハンドバッグやボディバッグなど膝の上における程度の鞄を用意しましょう。

手荷物検査の後、座席で必要なもの(歯ブラシやコンタクト類、本やカメラなど)を用意した鞄に移しておくとスムーズです。

携帯や財布などを手元に置いておく場合は常に防犯意識を持ち、飛行機を降りる際には、ブランケットや座席の下まで確認し機内に忘れないようチェックするのも怠らずにしてください。

デメリット②物入れポケットが遠い

非常口座席は前に座席がなく足元が広々と使える分、物入れポケットの位置が必然的に前方の壁という配置となります。

シートベルトを付けた状態だと腕を伸ばしても届かない位置にあったりするので、機体によっては不便に感じることもあります。

デメリット③物音がうるさい

トイレとギャレーが近い分、周囲が騒がしく物音が気になるという点があります。

長距離便になるとさらに、非常口座席の前のスペースで体操を始める人なんかもいたりして…。

私は全く気にせず爆睡できるタイプですが、神経質な方や些細な物音に敏感な人には合わない席かもしれません。

ボーイング 767-300ER はチャイムの音がうるさい

また機体にもよりますが、先日乗った羽田→香港行のB767-300ERは、CAさんを呼ぶチャイムが非常口座席の真上にあり、音もものすごく大きくて、さすがの私でもなかなか寝付けないほどでした(笑)。

深夜便は特に、B-767を利用する場合、非常口座席は避けた方が賢明かもしれません。

デメリット④翼の上で景色が見づらい

飛行機の窓からの景色が楽しみ!という方には、非常口座席はあまりオススメできません。

機体の中央に位置する非常口座席は、飛行機の翼の真上であることが多く、景色が遮られてしまいます。

ボーイング 787-9 は窓なし

B787-9の窓からの景色

「翼の上で景色が見づらい」程度ならまだし、座席の横に窓自体ついていない機体があります。B787-9は窓なしでした。

もちろんシートベルトサインが消えている間は、立ち上がり、外の景色も見ることができますが、離陸する際の景色が見たいとか、夜便でふと目を覚ました時に窓から見える大きな星に感動したりとか、そういったことはできません。

ボーイング 767-300ER からの景色

B767-300ERからの景色

香港国際空港から離陸する際の写真。眼下の景色を撮ろうと躍起になるも、翼が邪魔して撮れません(笑)。

深夜便であれば寝ているだけなのでいいかもしれませんが、昼便や朝日、サンセットが見える時間帯のフライトの場合はやはり外の景色も楽しみたいもの。十分考慮にいれて選んでください。

デメリット⑤肘掛けに難あり

モニターが肘掛けに収納されているので、肘掛けが通常より太く、座席が狭く感じる場合があります。

座席のサイズ自体は変わりませんが、圧迫感を感じる方もいるかもしれません。

また席と席の間の肘掛けを上にあげることもできないので、カップルやご家族で普段、フライト中は肘掛けをあげて過ごしているという方にも不便だと思います。

B767-300ERの肘掛け

B767-300では、上記に加え窓側の肘掛けの背もたれ側がない(途中で途切れている)デザインでした。私は気になりませんでしたが、肘をあずけて睡眠をとる彼は「気になる」と言っていたので、とにかく非常口座席の肘掛けには難があるということを念頭に利用すればよいと思います。

まとめ

メリットとデメリットを順に見てきましたが、非常口座席特有の配置によるメリットとデメリットが表裏一体の場合が多いですね。

私の場合はとにかく足が伸ばせて機内の行動に周りの人を気にせずに済む!ということがあらゆるデメリットを凌駕しているので、非常口座席が魅力的に感じますが、知らない人間が目の前でトイレを待っていたり、物音が気になったり神経質な方には正直向いていないかなと思います。

利用する機体やフライトの時間によっても天秤が変わってくると思うので、ぜひこの記事を参考に、慎重に検討して素敵なフライトにしてください!