【シンガポール】ブギス阿秋甜品(Ah Chew Desserts)にハマる!ローカルも行列するスイーツ店

三度目のシンガポール旅行、滞在2日目の夜、夕食も食べ終わりホテルへの道を連れ歩く彼の顔色に疲れが見え、その瞬間、頭の中で声がしたのです「阿秋甜品(Ah Chew Desserts)に連れて行かなければ…!」と。

NHKの旅番組「2度目のシンガポール」で知った阿秋甜品(Ah Chew Desserts)というスイーツ屋さん。ブギス地区にあり、夜遅くでもおいしいスイーツが食べられるとローカルに大人気のスポットとして紹介されていました。細田善彦さんがそこで食べていた”白きくらげとパパイヤのホットスイーツ”。その時はわたしが美味しそうだなと思って覚えていたのですが、天は彼をご指名のようです。

時刻は日曜午後9時を少し回ったところ。踵を返しブギスジャンクションの南側、リャン・シア・ストリート(Liang Seah St. )へと向かいます。

日曜日のアラブストリート

日曜日のアラブストリートは、普段車道になっている場所まで席が増設され若い人でにぎわっています。

そして案の定お店につくとそこには結構な行列が。並んだり待ったりすることが嫌いな彼はあきらかに「こんなの待つの無理だよ~」という顔をしている。むむ、どうしよう、でも食べさせたい、天が彼の者にあれを食させよと言っている

阿秋甜品 入口

レジに続く行列がある方の入口の隣、客席側方の入口を覗いてまごまごしつつ中の様子を伺っていると、オレンジ色のポロシャツを着たお店のお兄さんがわたしのヘルプ光線を察し話しかけてくれました(無言の圧力ともいう)。人数を告げるとすぐに席を用意してくれたので拍子抜けしていると、どうやら先に席を確保し、注文用紙にオーダーを記入してから並ぶ流れらしい。ほうほう。

阿秋甜品の注文用紙の書き方

阿秋甜品注文用紙

あらかじめテーブルナンバーと右下に売り切れの商品の番号が書いてあります。ちなみにこの日はP1=小豆を使ったお汁粉系の商品が全滅でした。

阿秋甜品 メニュー

メニューはテーブルとカバーの間に挟まっている一覧から選ぶか、

阿秋甜品 観光客向けメニュー

観光客と察すると(察さなくても?)大きな写真付きの見やすいメニューをくれますのでそこから選びましょう。

注文用紙のItem No.には品名の左横に記載の「アルファベット+数字」を記載します。

阿秋甜品 杏仁冰糖雪耳炖木瓜

今回のお目当ての一つであるこちらの「杏仁冰糖雪耳炖木瓜(白きくらげとパパイヤの氷砂糖スープ)」は「B1」です。

Hot/Coldどちらもメニューに記載がある場合は、頼みたい方に〇をしましょう。大きさについても記載があれば、どちらかを選んで〇をします。

Qty.は Quantity = 数量の意味なので注文数を書きます。Remarks = 備考の意味ですので、ライスボール(ゴマ団子)やアイスクリームをトッピングしたい時にはこちらに記載します。

この日は前述の、白きくらげとパパイヤのスープデザートのホットとゴマペーストにゴマ団子トッピング、そして彼の要望でマンゴーサゴを注文することにしました。

実食タイム

彼が列に並び始めてから10分して、会計を終え席に戻ってくると5分も経たずにスイーツが運ばれてきます。もっと待つと思っていた…!回転はすごく速いみたいです。

阿秋甜品 1日目

じゃーん。初日に頼んだ甜品たち。おいしそうです!白と青の器で統一されているのも可愛い。

B1 杏仁冰糖雪耳炖木瓜(白きくらげとパパイヤの氷砂糖スープ) HOT

阿秋甜品 白きくらげとパパイヤのホットスープデザート

まずは白きくらげとパパイヤのホットスイーツから。(名前の呼び方が安定しないのは中国語の「杏仁冰糖雪耳炖木瓜」は材料の名前の列挙のような感じで直訳だと長いし意訳するしかないからです。ご了承くだされ)。氷砂糖のスープに透けて、ぷるぷるの白きくらげとパパイヤが見えます。見た目も綺麗です。

杏仁冰糖雪耳炖木瓜

初めての白きくらげ。ぷるぷるというよりコリコリな食感。ほっとする甘さのスープと合わさってとっても美味しいです。

ホットパパイヤ

パパイヤはちょっとカボチャみたいなほっくりした食感。冷たくして食べるのが一般的なフルーツをホットで食べるってどんな感じなのかな?と思っていましたが、想像の斜め上をいくおいしさでした!パパイヤは中国語で木瓜。南瓜(かぼちゃ)と同じように「瓜」って表現するから似ているのかな?と思ったり…。

それから松の実もたくさん入っていたのですが、食感とナッツのようなコクがアクセントになって美味しく食べすすめられます。

P2 黒ゴマペースト Sサイズ + ライスボールトッピング

阿秋甜品 黒ゴマペースト

続いて夜の湖のように真っ黒な黒ゴマペースト。THE 黒ゴマペーストだねこれは…。こちらも最高に美味しかったです。ゴマの味ばっかりこんなに食べられないかなと思っていたのですが、飽きることなくするとすると完食してしまいました。舌触りがなめらかで抵抗がなく、やさしい甘さなのでくどくもなく、ゴマの風味もほどよくて、でもゴマ感はすごいあるという、満足するしかないバランスの半液体がするするするするするする胃に落ちていく…。

阿秋甜品 黒ゴマペーストのお団子

蓮華で宝探しをすると、お団子発掘。ぷるぷるもちもち。

阿秋甜品 黒ゴマペーストのお団子の中身(黒)

黒ゴマのペーストが入っているものが2つと

阿秋甜品 黒ゴマペーストのお団子の中身(白)

ピーナッツペーストが入っているものが1つ沈んでいました。

どちらも口に運ぶ度に体に元気が巡っていく感じがして、彼の顔色も明らかによくなっていました。普段は専ら洋菓子派で、和や中華のスイーツはあまり食べる機会がなかったのですが、同じ甘いものでもこんなにも身体への影響の仕方が違うのだと驚きました。

精製された糖は身体を冷やし、血糖値が上がりやすくなるなど身体に良いと言える食べ物でないことは確かで、私自身ある量以上に摂取すると具合が悪くなってくるのですが、阿秋甜品のスイーツはそういった感じが全くありません。甘いもので身体が喜ぶ初体験でした。

調べてみた

突然ですが、マンゴーサゴのレポートに行く前に、甜品に使われている食材の効能を調べてみたのでご紹介します。

パパイヤ

まずは南瓜のようなほっくりとした食感のパパイヤ。薬膳における効能や向く体質などの情報は得られなかったのですが、成分として肝臓の解毒酵素の働きを促進する”イソチオシアネート”が豊富に含まれるほか、抗酸化作用のある3代栄養素ビタミンC、ビタミンE、βカロテンも多量に含まれており、美容・健康にとてもいいフルーツだそう。

「肝臓の解毒酵素の働きを促進する」

酒のみのわたしたちにぴったりなフルーツでした。そりゃ天の声も食べろと思召されますわ。

杏仁冰糖雪耳炖木瓜

日本ではあまりなじみのない白きくらげは、薬膳ではポピュラーな食材らしく、肌に潤いを与え、血液を浄化し、呼吸器や胃腸のはたらきを助け、造血作用があるといわれているそうです。ちょっと信じられないくらい強い…。

それから松の実。こちらも肌や髪の毛に潤いを与え、滋養強壮効果が高く、老化予防効果のある薬膳の食材。日本のジェノベーゼソースにもよく入っていますよね。メニューには杏仁と書いてあるのだがおそらく松の実のことだと思うんだ…英語ではChinese almond…間違っていたら誰か教えてください。

薬膳の世界では、松の実も白きくらげも、漢方でいう”気虚”の体質を持つ人によい食材で、不思議な組み合わせに見えて実は理にかなっているのだな!という発見がありました。慣れない食べ物や初めての旅行でなんとなく疲れてしまったなという方、ぜひ試してみてくださいね!

黒ゴマ

そして黒ゴマは、高いアンチエイジング効果の他、足腰の力不足を補い、肌や髪に潤いを取り戻す効果があるそう。滋養強壮作用もあり、血虚の体質の人が摂るといいとされています。わたしだ…普段あまり積極的に食べたいと思わないのに、無性に欲していたのはそのせいか…。

漢方の先生に体質を見てもらって漢方を服用していた時もあったり、群よう子さんの「ゆるい生活」という漢方のエッセイも読んだりして、もともと漢方や薬膳に興味がありましたが、「これを食せよ」という直感にまで作用するとは漢方って偉大だなあと改めて思いました。

↑ 徘徊時に見つけたすごく素敵なサイトさん。気血水のバランスチェックや漢方・薬膳の辞書や毎月更新される陰陽五行占いなどがあり、とても楽しいです。

S1 口が痒くならないマンゴーサゴ

阿秋甜品のマンゴーサゴ

話がだいぶ横道にそれましたが、最後に、今回注文した中で唯一のひんやりデザート、マンゴーサゴ。彼のご要望です。ひたすらにおいしいおいしいと食べているので一口もらうと本当だ!!!何コレおいしい!!!小さな氷がぷかぷか浮かんでいて口に運ぶとシャリシャリする食感もたまらん。

味香園のマンゴーサゴ

味香園のマンゴーサゴ

実はわたし、チャイナタウンの有名なスイーツ屋さん、味香園でマンゴーサゴを食べたときはマンゴーにかぶれてしまいまして。日本でもマンゴーを食べると口内がかぶれることがあるので、苦手意識があったのです。なので、この時も恐る恐る一口もらったのですが…美味しい!美味しいよこれ!!!口もかゆくならない!

喉に突っかかるような感覚もなく、驚きとともにこちらも蓮華が止まらない。魅惑だ。魅惑とはこのことだ。

魅惑のスイーツタイム、再訪の誓い

阿秋甜品 1日目お会計

絶品スイーツの数々に心もお腹も文字通り癒され、SGD 11.50 (=約920円)という良心価格にもメロメロ。すっかり胃袋をつかまれたわたしたちは再訪を誓い、お店を後にしました。